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2009年5月31日 (日)

FM802 RADIO MAGIC@大阪城ホール

 大阪のFM局、FM802の開局20周年記念ライブへ行く。このラジオ局は結構面白いライブイベントをやっていて、東京に住んでいる頃に何度か足を運んでおり、ここは私の趣味に合うかなあと思っていたのだが、実際大阪に来てみると、一度も放送を聴いたことがないという。ラジオを聴くという習慣が、この数年ですっかりなくなってしまったもので。でも、こういうライブを観てみると、ラジオってやはりよいなと思えてくる。またラジオを聴く生活をはじめてみようかと。

 ライブであるが、出だしは藤井フミヤと、シークレットゲストの浜崎貴司で、RCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」から。今回のテーマのラジオにからめて、そして先日亡くなった忌野氏に捧げるという意味も含めた、良いスタートである。FLYING KIDS再開後の浜崎氏は一度聴きたいと思っていたので、このゲストは私としては大変嬉しい。そのまま浜崎氏が残って「幸せであるように」へ。バンドの音も、若干ファンクっぽい濃さには欠けるものの、なかなかよい感じである。浜崎氏が1曲で終わってしまったのが、大変残念であった。もう1曲、出来ればファンキーなのをやってほしかった。
 続いてはSEAMO。音は聞いたことがあるが、ライブで観るのは初めて。ラップの形式で語数の多い歌詞が歌われ、内容自体はシンプルで分かりやすいのだが、なぜか全然心に残らない。言葉が右の耳から入って左の耳から抜けていく感じ。単純なメッセージである分、“ひっかかる”(=内容をこちらで想像しなければならない)部分がほとんどなく、また歌詞からみえてくる“風景”のようなものもないのである。リズムもシンプルで、気持ちはよいものの、変化というか展開に欠ける感じがして、私にはあまり面白くは感じられなかった。だが、客席にはかなり多くのファンがいるようで、歓声は聴こえるし、立ち上がって歌に合わせて踊っている人もいる。こういう気持ちはよいが分かりやすくてひっかからない曲が、今の若者には面白いのだろうか。まるで、ケータイ小説が売れている状況を観ているかのようである。私が歳を取ったから、理解出来ないのかもしれない。でも、こういう曲がシーンを占めるとなると、音楽はすごく面白くなくなる気がするのだが。
 次も若手で、青山テルマ。曲はメディアを通して聴いていて、それなりに悪くはないと思えていたのだが、こうしてライブで聴いてみると、歌の力が弱過ぎる。バックの音に完全に埋もれているし、コーラスの方が目立つような印象。歌唱力がある人というイメージがあったのだが、それは録音上だけなのだろうか。若手が続いて清水翔太へ。歌とラップが混ざったような曲なのだが、この人も歌が弱いと感じた。声がバックに埋もれていて、“立って”いないのである。メロディはそれなりに気持ちよいのだが、詞はシンプルでこちらも“ひっかかる”ところがない。この辺は、大変申し訳ないのだが、家でラジオやテレビに接しているように、完全に聞き流してしまった。でも人気はあるようだし、単に知らないアーティストだから面白いと思えないのだろうか。
 今日的な人の後は、最初にも出た藤井フミヤが再登場。「True Love」のようなよく知られた曲だったのだが、さすがの堂に入った歌いっぷり。ライブで聴くのは初めてだと思うが、結構“聴かせた”のには驚いた。最後のアップテンポの曲では、キザなパフォーマンスもみせたりして、彼ならではの世界がみられた。前半最後は、シークレットゲストの平井堅。彼も聴くのは初めてだったが、圧倒的な歌唱力で、人気があるのが理解出来る気がした。特に桑田佳祐カバーの「白い恋人達」は、アレンジは原曲に近いながらも、その歌唱力で完全に彼の世界をつくり上げているのがすごい。

 後半は、一青窈からスタート。「ハナミズキ」「もらい泣き」という代表曲を歌ったのだが、大変聴かせるものであった。歌はもちろん、本人の発する雰囲気も、大変個性的で強いものを感じた。ステージ上を所狭しと動き回る様子も含めて、短い時間ながらも興味深い演奏が聴けて、面白かった。
 続いては、大御所の小田和正。毒のある(?)MCも含めて、これぞという見事なライブ。出だしこそ若干声が出ていない感じだったが、徐々に力強く澄んだ歌声が出てきて、聴いていて圧倒される。3曲目は、一青窈と佐藤竹善がコーラスに加わって、オフコースの「君住む街へ」。これも実に聴かせる歌で、じっくりと聴き入ってしまった。さらに、シークレットゲストの松たか子を迎えてのデュエット。小田さんは後ろで支える感じであったが、これもなかなか良い感じ。ここで小田さんが退場して、松たか子のデビュー曲「明日、春が来たら」。松さんの初期の曲は結構好きで、特にこの曲は変化の少ないミニマルなメロディながらも聴かせる曲で気に入っていたので、これが聴けたのは大変ありがたかった。歌声も迫力があって見事。

 若干の機材展開の時間の後、本日の私の一番の目当てであるSing Like Talkingに。出だしはなんと「Seasons of Change」。一応シングル曲ではあったが、そんなに知られているわけではないこの曲から始めるとは。このあたりが実にSLTらしい。またこの曲は、「人物や事象の移り変わり」と「その中でも変わらない姿勢」のようなものを歌っているから、5年半も待たせたファンへのメッセージであるかのようにも取れる。さらには、今日のバックがあれだけの見事なメンバーであることも踏まえて、こういう個々の演奏力があってこそ活きる曲を選んだのではないか。アレンジ面でも、オリジナルでは西村氏がギターで弾く間奏部分を、あえて意表をついて本田雅人(sax)に吹かせるあたりは、普通に無難に演奏はしないという、SLTらしさが出ていたように思う。でありながら、最後の部分では西村さんに思う存分ギターソロを弾かせるあたりも、実に彼ららしい。
 次は、FM802をきっかけに人気が出たという「Hold On」に触れたMCから、その頃の代表曲「With You」へ。この曲も往年のスケールの大きな演奏が聴けて嬉しかった。昔のイメージや思い出がいろいろと蘇ってきて、ちょっとうるっと来てしまったくらいである。間奏の一番盛り上がる部分でのコーラスを、千章さん一人が歌ったところも、なんか昔のSLTが思い出された。必ずしも上手い歌声ではないのだが、やはりあの声がないとSLTらしくないように感じられるのである。ぐっと来ているところのエンディングで、SEAMOがラップで参加したのだが、正直それには少々冷めてしまった。あのまま展開して終わってくれれば、ぐっと感動出来たと思うのだが。まあ、逆にそんなふうに終わっていたら、感極まって泣いてしまったかもしれないので、それが回避出来た意味ではよいのかもしれないが。
 最後は、これは予想通りの「Spirit of Love」。これまでに何度も聴いていて、以前は正直少々飽きてもいたのだが、こうして久しぶりに聴いてみるとやはり良い曲である。かつ、最後の部分では、バックメンバーも全員参加しての分厚いコーラスを聴かせるという。この辺も昔のライブそのままであり、大変懐かしく、嬉しいものであった。

 最後は、参加者全員で、忌野氏のつくったFM802キャンペーンソング「Oh! Radio」を。個々人が歌い、全員で歌うだけでなく、2名程がコンビになって歌う部分も多くあって、様々な組み合わせが楽しめたのもよかった。

 若干不満なパートもあったはあったが、全体としては大変面白いライブだったと思う。歌手、バックメンバー、それに企画側も含めて、関わった人達の音楽への愛情があふれているかのような、素敵なものであった。こういう暖かい印象を残して終わるライブも、なかなかないのではないか。
 個別には、これまで聴いたことないアーティストをいくつも聴けたことがよかったし、バックメンバーの見事な演奏も素晴らしかった。バックでは、久しく聴いていなかった本田雅人氏のsaxを堪能出来たのもよかった。結構吹く部分が多くて、彼ならではのテクニカルなフレーズとクリアな響きを大いに楽しめた。
 目当てのSLTに関しては、先にも書いたように、このライブが決まった時には期待と不安が入り交じった心境だったのだが、そんな不安を吹き飛ばすような、大変素晴らしいライブであった。なんといっても、SLTはやはりSLTのままであったことが、嬉しかった。5年半活動していなくても、彼らの音楽に対するスタンスは変わっていないのが、確認出来たというか。このあと彼らの活動がどうなるかはわからないけれども、今日こんな形で聴けたということで、とりあえずもうしばらくは信じて待っていられそうな気がする。

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2009年5月27日 (水)

意外な快勝:日本代表vsチリ代表

 代表戦が地元長居であるということで、観に行く。とはいえ、東京出張の帰りにそのまま寄ったのであるが(笑)。まあ、代表戦を観た後10分で家に着くというのも、めったにないことだが。
 それにしても、同じ長居でも、普段のセレッソ戦とは全く違う風景。最寄り駅に向かう電車から混んでいて、駅からスタジアムまでは人の列、もちろんスタジアム周辺は混雑していて、スタジアム内は一杯と言う状況である。人気が落ちたと言われているとはいえ、さすがに代表人気はまだまだあるという感じか。
 しかし、その分、普段サッカーを観にスタジアムに来てない人が多いようで、観客の醸し出す雰囲気が全く違う。全体として“ゆるい”感じで、真剣味に欠ける。親善試合だからそうなのかもしれないけれども、写真を撮りまくってる人が多いなど、ゲームとプレイヤーに対する敬意に欠けているように思えてならない。チリの国歌斉唱の時に手拍子している人も多かったし。普通国歌に対して手拍子はないだろうと。

 試合の方は、出だしはチリがリズムよくパスを回して、1対1に勝って何度かチャンスをつくる。チリのパスは基本足元を狙っているのだが、強くて速くて正確なので、そこからの展開が速い。またボールを持った選手の仕掛けるスピードも速いので、サイド(特に日本の右側)を抜かれて危ない場面がいくつかみられた。フィニッシュのところがよくなかったために失点はしなかったが、ここで決められていたらまた全然違う結果になっていたのではないか。
 しかし日本も速い展開で攻めてはいて、そんな中で、長いボールを前線で受けた岡崎が2人のDFにつかれながらもうまくキープして、後ろから上がってきた本田に渡し、本田が勢いよくミドルシュート、GKがはじいたところを岡崎が詰めて、よい形で先制する。チリは追いつこうと圧力を増すけれども、逆にパスやシュートの精度が落ちたような印象で、日本のディフェンスがうまく守り切る。で、ディフェンスラインから送られたボールを、なぜか前線に上がっていた中澤がうまくゴール前に流して、そこに抜け出した岡崎が冷静に決めて2点目。どちらも私が座っていたサイドで決まった見事なゴールで、なかなかに気持ちよかった。
 後半の出だしは、チリが改めて攻め込んでくるが、ゴール前でのチャンスを決められない。確か11番のFWに2回程決定機に近い場面があったと思うが、どちらも打ち切れていなかったような。その後はチリのパフォーマンスが徐々に落ちていき、日本のリズムになっていったかと。これまでの日本代表は、とにかく前線で速くて細かい攻めをしようとしていた印象があるが、今日のチームは良い意味でタメができていたような気がする。まずはボランチの遠藤のところでタメができ、サイドや前線にボールが送られて、そこから戻ったボールがトップ下の中村憲のところで絶妙にタメられた後に、また前に送られるという感じ。そんなリズムがなかなかよかったように思う。そして、CKから阿部が頭で合わせて3点目、終了間際にも前線に送られたボールの競り合いから本田が決めて4点目と、日本代表が最近に快勝をみせた。

 最近の代表の、小さく素早い選手がパスを細かくつないで相手ディフェンスを越えるような攻めは、小気味はよいもののあまり効果的ではないなという印象だったのだが、今日のような一瞬タメつつスピードアップするようなのは、なかなかよかったのではないか。チリが自ら前に攻めてきたからこそ、カウンター気味の速い攻めが聞いた部分はあるだろうから、アジアでがちがちに守られた時にどうかおいう気もするが、予選を越えて本戦に進んだ時には、こういう形は効果的なのかもしれない。そういう意味では、今後にちょっと期待出来るような内容であった。
 しかし、期待していた鹿島の代表組2人は、結局出場せず。歩いていける長居で鹿島の選手が観られるのを期待していたのだが、残念。こうなると、セレッソが昇格してくれないと、その願いは叶わないのかもしれない。

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2009年5月24日 (日)

盤石の手堅い勝利:G大阪vs鹿島

 リーグ中断前の大一番。勝てばガンバとの差は勝ち点9に広がり、逆に負ければ3と近づかれてしまう。逆にみればガンバとしては勝たなければ厳しくなるわけで、そんな状況で両チームの意地がぶつかった緊迫感のある試合を観ることが出来た。
 前半は総じて鹿島のペース。ワイドに開いた両サイドをうまく使いながら、シュートまではなかなか至らないものの、良い形で攻めを組み立てる。特に相手ディフェンスの薄い部分を突いた、長いサイドチェンジが見事につながる。一方のガンバの方は、前線を鹿島ディフェンスにうまく抑えられて、いつものような圧倒的な攻めの迫力がみられない。様子見の横パスが多くなり、縦に送ってもミスが多く前線にはつながらない。時折うまく裏をとるが、そこも追いすがる鹿島CBとGKの守りに阻まれる形。形のつくれないガンバに対して、鹿島はセンター付近左寄りから右サイド深いところへの長いパスがつながり、それを受けた本山が内田とのパス交換でペナルティエリア内へ進入し、中央にクロスを送る。ボールは相手DFに当たってふわっと浮きながらファーサイドに流れていき、そこに上がっていた中田がDF,GKに詰められながらも合わせて先制点を決める。中段左から右奥への長いサイドチェンジ、そこからファー側へのクロスを決めるというのは、先のACL上海戦と同じような展開であり、鹿島の一つの攻めの形が見事に決まったといえよう。失点したガンバは再三ディフェンスの裏を狙うが、鹿島もうまく守りきり、遠藤が飛び出してフリーとなる決定機も、曽ヶ端のタイミングの良い飛び出しで抑えて、勝ち越したまま前半を終了する。
 後半になりガンバの攻めの圧力はより強まるが、鹿島はねばり強い守備で相手の攻撃をことごとくはね返していく。セカンドボールの多くはガンバに拾われて再三攻め込まれるが、それでも焦ることなく丁寧に守り続け、奪ったボールがつなげる時には前線に長いボールを送って、マルキと野沢を中心に鋭いカウンターを仕掛ける。なかなか枠には行かないものの、きっちりシュートの形で攻撃を終えることで、守備陣もしっかりと助けている。大迫は悪くはなかったものの、相手を交わしきれない/キープしきれない場面が多く、働きとしては若干物足りない。その後は、本山に替わったフレッシュな増田が走り回り、久しぶりに出場したダニーロが独特のリズムでボールを前に運んでキープし、大迫に替わった田代が前線からのチェイスとターゲット役とをこなす形で、試合をきっちりと閉じにかかる。ガンバは最後にはロングボールを増やして力ずくでゴールをこじ開けようとするが、最後まで安定した鹿島ディフェンスが守りきって、1-0で見事に勝利する。
 ガンバサポからすれば、先制点の後は固く守り切られてしまい、鹿島のプレイは憎らしくて面白くなかったかもしれないが、鹿島ならではの固い守備と落ち着いた試合運びが観られたという意味では、鹿島サポとしては見応えのある試合だった。あれだけ繰り返し攻められても崩れない強固な守備と、ただ守るだけでなくきっちりと素早いカウンターも見せるあたりは、チームの成熟した様を大いに楽しむことが出来た。前日のセレッソのように追加点をどんどんあげて勝つのもよいけれども、こういう手堅い試合にもまた違った面白さがある。もちろんカウンターで追加点を決めていれば、もっと落ち着いて勝てたのかもしれないが、1点差だからこそ緊迫した形で最後まで試合が楽しめた部分もある。しかし、後半こそ分厚い攻めを見せていたが、前半の選手の息が合っていないような淡泊な攻めは、ガンバらしくない気もした。前線の核となる選手を欠いていつもの攻めが出せなかったのか、あるいは鹿島がそういうガンバらしさを出させなかったのかは、分からないけれども。

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2009年5月23日 (土)

真骨頂の勝ち方:C大阪vs福岡

 今日の試合は、まさにセレッソならではという、気持ちの良い勝ち方。4得点という結果のみならず、その内容が見事であった。こういう試合で第1クールを締めくくれるというのは、大変素晴らしいことである。
 とはいえ、前半は相手ディフェンスをなかなか崩すことが出来なかった。カイオに替わって先発のFW小松が不調で、ポスト役としてボールが納まらないし、香川・乾とのコンビネーションとしても良さがみられない。サイドから攻めても、福岡も中央の守備は固く、なかなか良い形でのシュートは打てない。セレッソの守備もしっかりしていて決定機は与えないものの、福岡は途中からミドルシュートを狙ってきて、ポストに当たるなど危ない場面をつくられる。そんな感じで拮抗したまま試合が進んだ前半の終了間際、ファウルのリスタートのボールを素早く受けた香川が、ペナルティエリア内へふわっとしたパスを送り、そこに中央から右に斜めに走り込んできた乾がシュートを一閃、逆サイドに突き刺して先制する。相手ディフェンスの枚数は多かったのだが、そこを個人の技術と連携で破る見事な得点であった。
 後半はセレッソが追加点を狙い圧力を強めるも、前がかりになったところでボールを失い、カウンターで同点に追いつかれてしまう。先制しながら早い時間で追いつかれる。いつもの悪い流れになるかと思いきや、今日は違った。不調の小松に替えて西澤を送り込むと、香川-乾ラインを軸とした早い攻めが活性化する。マルチネスからの縦へのボールを、西澤→香川がワンタッチでつないで、後ろからディフェンスの間に走り込んできた乾が決めて再びリード。その後は、追いつこうと焦る福岡の裏を突いたボールが面白いように通り始めて、マルチネスのロングフィードに抜け出した乾が、相手GKとDFが交錯してこぼれたボールを押し込んでハットトリックの3点目。さらには香川からの裏へのパスに合わせた乾がループで決めて4点の大活躍。その他にも、右サイドを崩してからのセンタリングを受けた西澤がGKと1対1になるなど(これは決めてほしかったが)、圧倒的な攻撃を見せたセレッソが勝利を収めた。
 前線の選手の個人技+コンビネーションで崩して先制し、その後はカウンター気味に相手ディフェンスの裏をつくという、セレッソの見事な勝ちパターンである。ある意味、このチームの真骨頂とも言える攻撃がみられたのではないか。今日のゴールは全てが実に面白い形で、久しぶりにすかっとする勝ちゲームをみることが出来た。こういう試合を見せられると、セレッソを応援する甲斐があるというものである。これまでも勝つことを期待して観戦はしていたものの、(鹿島の試合ほどには)入れ込んではいなかったのだが、今日の試合はしっかりと盛り上がることが出来た。2点目の見事な崩しからの乾のシュートの瞬間などは、思わず「打て!」と声が出てしまったくらいである。こんな試合を毎回観せてもらえれば、私と同じように、はまっていくファンも増えていくに違いない。

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2009年5月21日 (木)

そして試合は続く

 先日ACLのアウェイ戦を観たばかりだが、この先もしばらく試合観戦は続く予定である。土曜のJ2・C大阪vs福岡@長居に、日曜のJ1・G大阪vs鹿島の中断前の大一番、それに翌週水曜の日本代表vsチリ代表戦@長居である。関西での新型インフルエンザの感染問題で、どの試合も一時は観戦が危ぶまれたのだが、とりあえず通常通り開催されるということでなによりである。もちろん観戦する立場としては、十分注意する必要はあるけれども。
 セレッソは前節見事に首位に浮上、アントラーズも1試合少ないながらも首位をキープしており、比較的いい状況のもとで観戦出来るのはありがたい。週末は天気もよいようだし、どちらのチームもしっかり勝ってもらって、気持ちよく過ごしたいものである。そして来週の代表戦も、アントラーズからは内田と興梠(は怪我の影響で出られるか分からないが)が選ばれており、彼らのプレイが歩いていける長居で観られる(かもしれない)のは大変嬉しい。
 しかしこれだけ試合が続くと、観戦する立場でもそれなりに疲れるというのに、試合をプレイする方はもっと大変なのだろう。代表組はJの中断期間も試合が続くわけであって、内田などは若いとはいえ本当に大丈夫なのか?と心配してしまうが。

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2009年5月20日 (水)

上海にて・4日目

 最終日は雨が降っていたこともあり、ホテルでのんびりめに過ごした後、まだ行っていないあたりを少しばかり回る形に。あまり多くは回っていないが、その範囲で感想を。
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・まずは市内にある静安寺というお寺を見学。デパートや高層オフィスビルが建ち並ぶ中に、取り残されたように寺があるという。でも一旦中に入ると、中庭を囲む建物からはちょうど読経の声が響いていて、周りの喧噪がなんとなく気にならなくなるから不思議である。
・建物の屋根は金色、壁も黄色や朱色系統と結構派手で、一見すると観光客を意識しているようにも感じられるのだが、日本のそういう寺とは違って、実際に参拝している人が多い。まずは中庭でお線香を手に持ちながら四方に向かって丁寧に祈り、その後左・正面・右の建物にそれぞれ参拝するという感じだろうか(作法はよくわからなかったが)。お年寄りもいるが、カップルも含めて結構若い人々もお参りしている。単に古い名勝として観光の対象になるのではなく、今もきちんと宗教施設として機能している様子が、印象に残った。
・その後は、少し南に下がって、古いアパート群が建ち並ぶ地域へ。太い道路に面しているので、歩道沿いは今風のカフェやバーになっていて、なかなかよい雰囲気である。このあたりは街路樹があったりして比較的落ち着いた地域だったので、ここも租界時代に計画的につくられた街なのだろうか。こういう古き良き空間が残っているのが、面白いところである。
・寺まで戻って東へ向かって歩く。この南京西路も高級な商店が建ち並ぶのだが、その裏側は古くからの集合住宅である。道路に面した部分だけが新しく今風につくりかえられているが、後ろの方は昔の雰囲気のままという対比が面白い。中に入れればよかったのだが、どの門も警備員がいるか扉が閉ざされていて、中まではみられなかった。この辺の感じも、実に都市的な感じである。
・風雨ともに強くなってきたので、外歩きをあきらめて、昨日も前を通った東方明珠塔へ。とはいえ、塔に登るのではなく、中にある「上海市歴史発展陳列館」なるものを観に行ったのである。ここは昔の上海の建物や街並みを再現している博物館で、建築・都市系の私には大変面白かった。のんびり観て回ったので、2時間近くはいただろうか。特に租界時代の街の映像や再現模型が興味深く、この街はなるほどこういうふうにして出来上がっていったのかというあたりが分かった気がする。なんというか、昔からの中国の様式と西洋からの文物とが出会いぶつかり混ざり合っていく様が感じられたというか。
・ここの展示を観て思ったのは、この数日間で私が感じた、この街の表側と裏側、新しさと古さ、富める者と貧しき者という対比の構図は、それこそこの都市が出来たときから続いているのだなと。西洋から来た新しい様式が古きものを駆逐し、富める西洋人が都市生活を楽しむ一方で全く違う生活を送る現地の人もいるという租界時代の構図が、最近になってまた別の形で繰り返されているだけなのかなと。建物で言えば、レンガや石造りの中層建物が、鉄とコンクリートとガラスの超高層ビルに替わっただけであって、そこで起きていること自体はそう変わっていないのだろう。
・しかし、租界時代につくられた西洋風の建物は、現在は現地の人々によってうまく活用されて、新しい都市の魅力となっているわけだが、現在つくられている超高層ビルは、100年後にそういう“文化的な資産”になりうるのだろうか。また、租界時代の建物は取り壊されて超高層ビルに建て替わったが、超高層ビルの後には何が建てられるのだろうか?などということも考えてしまう。そんな先のことは想像もつかないが、超高層ビルというのは、なんとなく将来は何にも使えない/替わらないものになっているような気がしてならない。そんなものをあんなにつくってよいものかとも思う。
・新しいものと言えば、帰りの空港に向かう途中で乗ったリニアモーターカーもそうである。世界で最初の営業運転だっただろうか。確かに新しくて、体感としてもとても速かった。が、乗車時間はわずか8分程、最高速の400km/hで走っている時間は1分程度だったのではないか。そんなものをこんなところにつくってどうするのだ?という気もしてしまったが。
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 今回の3泊4日の滞在の間に、当初は蘇州とか杭州とかも行こうと思っていたのだが、日程的に少々厳しかったこともあって結局行かなかった(3日目は夜が試合のため、1・4日目は到着・帰国のため難しい。行くなら2日目だったがまだ上海もよく観ていないのにどうかなと)。でもまあこれくらいの多少余裕のある日程の方が、ゆっくりと観られてよかったのではないか。

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2009年5月19日 (火)

厳しいアウェイを乗り切って:ACL上海申花vs鹿島鹿角

 ACL予選の最終戦、アウェイの上海戦。当初はツアー客のみへのチケット販売で、個人で行く私はどうなるものか心配したのだが、結果的にはそう問題もなかったようである。クラブスタッフからのチケットの受け渡しは、上海サポがたむろする飲食店の前で、スタジアムの入口も上海サポと同じ、席はホーム側2階席の隔離されたエリアだったが、そこへの入口が開くまでは普通にコンコースで待っている形で、上海サポとも完全に接触している状況(写真を取り合ったりマフラーを交換したりと、友好的な接触のようだったが)。もっと厳重な警備をイメージしていたので、少々拍子抜けでもあった。まあ、上海の勝ち抜けがほぼなくなったなどの状況の変化もあったのかもしれないが。
 鹿島のサポ席は、ツアーで来たと思われるゴール裏系の人々に、私のような個人旅行客が若干、それ以外は現地の日本人グループが多くて、いつものスタジアムの雰囲気とは少々違っていた。上海申花を応援したい現地の日本人も、日本人だということでこのエリアに来させられたようである。(少なくとも鹿島戦は)観戦したことのない人が多いようで、応援もぎこちなかったりして、緊張感というものには欠ける。まあ、今日は大敗しなければ1位通過なのであって、私も含めて通常のサポもそう入れ込んでなかったのだとは思うが。

 試合の方だが、相手はかなり厳しい当たりをしてきて、アフター気味の当たりも多い。開始早々の数分で、いきなりイエローカードが出るくらいである。そんな前線からの厳しい当たりに、鹿島の選手は若干あわててしまったのか、キープ出来なかったりパスが合わなかったりして、高い位置でボールを奪われて素早く前線サイド寄りに運ばれてピンチとなる。そういうふうに当たりが厳しかったからか、今日の審判はそう厳しそうでない当たりもファールをとりがちで、それが鹿島の方(特に小笠原)に裏目に出て、早い時間帯にFKに合わせられて失点してしまう。鹿島も徐々にリズムをつくれるようになり、スペースへの早めのパスがつながるようになって、前線で何度かチャンスをつくれるようになる。そんな中で、サイドの内田が上がったところでカットされたパスからのスローインを、ペナルティエリア内で素早くもらいにいった興梠が後ろに返し、受けた本山が山なりのクロスをゴール前に素早く上げて、これをマルキが頭で決めて同点。この後は、鹿島が中盤でつなぐもいい形でのシュートは打てず、上海も長いボールを前線に当てるがそこから形を作れないような感じで、前半が終了。
 後半の開始早々は、上海が改めて前線からの厳しいチェックをみせて、奪ったところからゴール前に迫るも、これをしのいだ鹿島もカウンターでチャンスをつくる。この時間帯での、マルキの絶妙なループ気味のシュートや(おしくもバーに嫌われる)、一人抜け出した野沢のシュート(追いすがるDFにはばまれる)が決まっていれば、その後楽になったのだが。その後も上海は、厳しい当たりで相手をつぶし、そこから前線に早いボールを入れるような攻めを続けるが、鹿島も対応に慣れてきたのか、そんなに危ない場面はつくられない。上海の当たりはさらに厳しく、というか激しくなり、痛んだ興梠が退いて大迫に交替、本山に替えて中田浩二を入れて守備を固めつつ攻めもつくれるようにし、最後はマルキに替えて田代を入れてつなぎというより高さで攻めようとするも、決定機らしいものはつくれず、また逆につくらせないままに試合は終了。引き分けで勝ち点1を得て、グループ首位通過を決めた。

 アウェイでの勝ち点1であるから、結果的にはこれでよいわけだが、前からがつがつと来るチームに弱いところは、この後なんとかしなければ勝ち残れないような気がする。予選初戦の水原戦もそんなふうにしてリズムを崩したわけだし、今日の試合も上海がもう少し良いチームだったら、点を取られてもおかしくない場面もあったし。前半途中からみられたように、ボールを早く回す、スペースに動くとかという感じで、相手と出来るだけ接触しないプレイをしていかないと、今後中東のチームとぶつかった時に危ないのではないか。そのあたりは、今後対応してほしいものである。
 ちなみに試合中は、ブーイングの声は比較的大きく、時折鹿島の選手に向けてペットボトルが投げられていたが、総じて過剰に敵対するような雰囲気ではなかったと思う。試合後も、特に隔離されることなく、普通に退場することが出来た。とはいえ、私のようにタオルマフラーだけでしまえば普通と変わらない人は問題なかったが、ユニを着るなどして一見して鹿島サポと分かる人達については、しばらく席にとどめさせられたようであったが。しかし、普通に退場した私でも、終電の時間にぎりぎり間に合うかという時間だったので、とどめられた人達は間に合ったのか少々心配にもなったが。まあ、そういう人達はツアーが中心なので、帰りはバスなのだとは思うが。

(後日付記)帰国後に録画を見直してみると、実際と書いたことが違う部分も結構あったのだが、まあ現地での印象はこうだったということで、このままにしておく。ちなみに私の姿は計3回程映像に映っていた。大勢の中に小さく映っているだけだから、まず分からないとは思うけれども。あんな目立たない位置でも映るものなのですな。

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上海にて・3日目

 本日は市街を流れる黄浦江の東側と北側あたりを回る。人民広場近くのホテルから、外灘の南側まで歩いて、そこから渡し船で陸家嘴へ。高層ビルが建ち並ぶ街を回った後、世紀大道を途中左右に寄り道しながら下って、上海科技館~世紀公園へ。地下鉄で移動して虹口周辺の多倫街~魯迅公園を歩いて、虹口足球場(つまりサッカースタジアム)で試合観戦というルート。そんなに歩くつもりではなかったのだが、結局今日もかなり歩いてしまった。
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・陸家嘴は高層のオフィスビルやマンションが建ち並び、建設中の建物も多い開発中の街である。大きなショッピングモールなどもあって、空間だけをみると中国にいるというのを忘れそうになる。まあ、いる人は主に中国人なので、人も車も信号は守らないとかいう点で、行動様式は中国のままなのだが。
・数ある展望台の中から、一番新しくて一番高い「上海環球金融中心」へ登る。通称「上海ヒルズ」と呼ばれているように、日本の森ビルの手がけたビルである。そのため、展望台まで登る経路も、展望台の雰囲気も、なんとなく六本木ヒルズを模しているようにも感じられる。地上100階の展望台は、世界で一番高いらしいのだが、残念ながら見晴らしはそんなによくはない。なぜなら、空気がよごれているせいか、遠くの景色はくもったようにかすんで見えず、クリアなのはせいぜいビルの1km程度の範囲に感じられるからである。工事が各所で行われているためか、あるいは自動車交通の排気ガスのためか。とはいえ、飾ってある写真を見ると、クリアな日もあるらしいから、この時期がよくないだけかもしれないが。
・しかし、この上海ヒルズからの眺めと、初日にみた「上海城市規劃展示館」の都市模型とは、視点が大変似ているように思えた。六本木ヒルズにあった東京模型を思い出させるものがある。超高層ビルから“下”を眺めるような気持ちで、デベロッパーや市当局は、都市の将来像を考えているのだろう、と思ってしまうわけである。確かに、あの100階から見下ろせば、そこから見える景色を自由に描きたいと思う気持ちは、都市計画の専門家としてはどこかに感じてしまう部分はあるけれども。
・この陸家嘴は高層ビルが建ち並ぶわけだが、その近くには(おそらく)昔建てられた集合住宅団地も数多くある。道に面した1階部分は商店となっていて、内側は門で閉じられている、多くみかける形態である。こういう商店には、近隣で働いていると思われる会社員が数多く昼食を食べに来ていた。昨日の新天地付近と同様であり、やはりビルのそばにはこういう昔ながらの飲食店がなければなりたたないのではないか。
・とはいえ、一部の集合住宅は、開発予定地にあるためか、人がいなくなり取り壊しを待っている状況のものもあった。窓や入口が塞がれているのだが、板とかではなくて、レンガを積んで固めているというのがすごかった。よっぽどしっかりと閉め出したいということなのだろうか。
・陸家嘴より少し南にいったあたりには、比較的昔につくられたショッピングセンターやフードコートがある一方で、最近つくられたとみられるデザインに凝った今風のモールもあったのだが、前者は人が一杯なのに対して、後者はがらがらだったという対比も面白い。後者では野外ステージ的につくられた中庭で、何かのイベントをやっていたのだが、それをみるために面したお店の従業員が外に出ている始末である。空間の作り方に問題があるのか、それとも入る店の選び方に問題があるのか。どちらもあると思うけれども。
・さらに南に降りた上海科技館の周辺は、良くできたデザインの都市公園になっていて、その下には地下街がある。この地下街は、いかにも中国的というか、ごみごみした雰囲気のままつくられているのが、なかなか面白い。土産物屋が多かったようだが、お客はそう多くはなく、これで成り立つのか不思議に思ってしまったのだが。
・上海科技館の西側、川を渡ったあたりには、デザインに凝った集合住宅団地があり、その隣の川沿いには、これまた凝った設計の店舗が建ち並んでいる。一目見て、高級住宅街として設計されたことが明らかなのだが、残念ながら店はまだ埋まっておらず、開いている店にもお客は少ない(平日の昼だったからかもしれないが)。ここにも昨日行ったような、ドイツのビール会社の直営店があって、川の見える屋外テラスで飲んだのだが、やはり1杯60元はした。他の店も比較的高級そうなので、そういう店を集めることで、高級感を求める層に住宅を買ってもらおうということなのだろう。しかし、本当にうまくいくのかどうか。
・移動した先の多倫街は、昔ながらの建物が残り、古物商が集まるような趣のある街で、ここはなかなか面白かった。その前に完全に計画された街から行ったので、なおさらであった。魯迅公園周辺も人が集まる一般的な商店地区であり、やはりこういう雰囲気の方が、中国らしいというか、楽しめるような気がする。
・とはいえ、そういう人の集まるところは、うるさいしごみごみしていて疲れるのであるが。街がそういうふうである分、魯迅公園のような、緑に囲まれて池を配した静かな公園が大変重要な気がした。公園に一歩足を踏み入れると同時に、外の喧噪から離れて、落ち着いて歩くことが出来るのである(街中ではいつどちらから車やオートバイ、自転車が来るか分からないので、ゆっくり歩けないのである)。以前広州に行った時も感じたのだが、中国の都市における公園の持つ意味は、日本以上に大きく重要なのではないかと思う。
・サッカーの試合観戦は別途書くとして、試合後に帰ろうとしたら、ホテル付近まで直通で行ける地下鉄の終電がすでに終わっていたのには驚いた。迂回するルートももう終電近かったという。22時過ぎで終電というのはどうかなという気もするが、そういえば中心部の店も22時過ぎにはほとんど閉まっていたような。社会全体として、そういうやり方をしているのかもしれない。
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 しかし、こうして書いた雑感を眺めてみると、どうみても観光客の目線ではないですね。おのずと専門の都市計画や住宅の視点からみてしまっているようである。

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2009年5月18日 (月)

上海にて・2日目

 2日目の本日は、人民広場付近のホテルから、豫園~上海老街~東台路~新天地~淮海路~衡山路とひたすら歩き(さすがに長かったので疲れた)、その後地下鉄に乗って虹橋あたりをみて、最後に地下鉄で南京西路まで行きそこから歩いてホテルへ戻る…というルートで回る。炎天下の中をほとんぼ1日中歩いていたので、夜には疲れ切ってもう出歩く気力もなくなり、夜9時過ぎにはホテルに戻る始末である。まあ、仕方ないだろうか。
 本日感じたことを、また備忘録的に。今日は、上海の新しさと古さ、表側と裏側、高さと安さという、相対するものを見て回った感じだろうか。
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・豫園は古い中国式の庭園で、その周りにも古い中国様式の建物が並んで、とても古さを感じさせる街である。とはいえ、基本的に来るのは観光客だけなので、土産物屋がほとんどだし、また価格も街中より高かったりして、いわゆる普通の街とは違った、一種のテーマパークである。
・しかしそのすぐそばの上海老街は、日用生活品が売っているような商店街であり、こちらに来るとほとんど地元の人ばかりである。さらに道を横に入ると、狭い道沿いに飲食店が立ち並んでいて、道をふさぐかのように並んだテーブルで地元の人達が簡単な食事をとっている。道を折れて老街に並行する1m幅程の狭い道に入れば、かなり低水準の住環境の家が建ち並び、入口の前で住民が何をするともなく座っている様子が見られる。豫園からすぐのところだが、これだけ環境が異なるとは。
・さらには、老街沿いの一角、豫園パーク(?)に面したところには、新築されたショッピングモールが出来ている。昔風のデザインを活かしているものの、すっかり近代的な形のモールなのだが、店にはお客は全然いない。豫園には観光客があふれ、裏の市場は地元の人で埋まっているというのに、である。このエリアでは、このような新しいタイプの商業施設はきっと合わないのだろう。
・新しい商業施設といえば、新天地が知られる。古い建物を活用しつつ、高級な商店や飲食店を集めたものである。さすがにここにはお客は結構多かったのだが、客層は豫園とも上海老街とも全く違う。外国人か、近くのオフィスビルで仕事をするビジネスマン、それに着飾ったマダム達という感じだろうか。なにしろ飲食店もかなり高くて、街中の普通の食堂で30元程も出せばそれなりに食べられるところで、80~100元台のランチメニューしかないのである。それでもお客はいるわけだから、こういうものが食べられる/食べたい人がそれなりにいるということだろう。
・新天地の周りではビルの開発が進んでいて、いくつもの建物が建設中であった。そのすぐ隣の、昔ながらの2階建ての商店兼集合住宅の方でも、道路に面した部分に仮設資材を組み立てていたので、これらは修理やリノベーションをして古い雰囲気を活かした街にするのかなと思っていたのだが、裏側に回ってみて驚いた。内側の建物は全て取り壊されていて、道路沿いの部分だけがかろうじて残って営業を続けていたのである。しかも、よくよくみると閉鎖された商店も多かったので、いずれ近いうちに道路側も壊されるに違いない。で、その跡地に、隣で建てているような高層のオフィスビルやマンションが建つということなのだろう。
・新天地などの高級な店に人が集まり、周りが再開発される中で、古い建物も取り壊されていく。時の流れなのだから仕方ないとは思うが、それにしてもドラスティックな変化ではないか。それらの古い店では、簡単な食事を取っている会社員も多くみられたのだが、こういう人達は店がなくなった後はどうするのだろうか、などといらぬ心配をしてしまう。高い新天地では食べられないだろうから、新しいビル内に出来るフードコートのチェーン店にでもいくのだろうか。そうすると、お昼ご飯が若干味気なくなるような気もするけれども。
・その後歩いた淮海路も高級店が建ち並ぶ、日本でいえば若干青山みたいな雰囲気の通りなのだが、途中途中に古い味わいのある集合住宅が残っていて、道路に面した部分は商店、裏側は住宅として使われていた。それこそ青山通りに同潤会があったような感じなのだが、こういう建物が残っているのは面白い。
・その先の衡山路も高級な街である。街路樹のある道沿いに、それこそ租界時代につくられたような、落ち着いた雰囲気の古い集合住宅が並ぶような感じで、おそらく外国人の居住者が昔から多かったのだろう。そういう人達を相手にする飲食店が多く集まっていて、それぞれが個性的な外観をしていて、なかなか面白い雰囲気である(日本だと代官山とかか)。
・が、それらの集合住宅の多くは、基本的にゲーティド・コミュニティ(外の人が入れないように閉ざされた住宅地)であり、他の地域の古い集合住宅にみられたような生活感は全く感じられない。なので、上海であるのに上海ではない感じがする。
・また、飲食店の価格もかなり高い。ふらっと入ったとあるドイツのビール銘柄の直営店(かな)では、ジョッキ1杯のビールが70元である。コンビニで買う青島ビールが4元、街中の飲食店で飲むと12元、昨日外灘で飲んだ地ビールが30元くらいのところで、である。その日の昼食代よりもビール1杯が高いとは(苦笑)。だが、こういう店が成り立っているということは、この値段でも来るお客がいるということなのだろう。
・最後に行った南京西路の駅前は、オープンエアのショッピングモールがつくられていたのだが、その一端の道路を挟んだ向こう側も、「小吃街」という古くて狭い店が並ぶ飲食店街で、こちらも歩行者専用である。が、人が多いのは明らかに古くさい小吃街の方で、店前の屋台に並び買って食べる人であふれている。一方のモールの方は、人は通っているものの、食事をする人は少なくて、にぎわいには若干欠けていた。
・といった感じで、今日は至る所で、幹線道路沿い等の表側に並ぶ新しくて高い街と、古いけれども味があって(その結果)高い街、それらと裏側にある古くて安い街との対比をみてきたような気がする。これが上海という街の現在の一つの典型的な姿と言えるのかもしれない。

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2009年5月17日 (日)

上海にて・1日目

 休暇の旅行で上海へ来ている。ホテルのネットが常時接続なのでこうしてブログも書けるのだが、こうしていると自宅と環境は全く変わらないわけで、ネットというのは本当に国境とか距離を感じさせなくするものである。まあ、上海は大阪からは飛行機で2時間程だから、北海道とかに行くのとそう変わらない距離なのであるが。
 帰ってきてもいつも通り(?)感想は書きそうにないので、備忘録的にざっと本日感じたことを。今日は初日だったので、結局空港から市内中心部のホテルに移動した後、人民広場~南京路~外灘という、ごく狭い範囲しか歩けなかった。明日以降は徐々に範囲を広げていきたいものである。
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・中国入国の際の健康チェックや審査は、非常に簡単だったのは拍子抜けだった。いまや感染が広まっている(?)地域からの便なのだから、もっと丁寧に厳しくやられて、時間がかかると思っていたのだが。まあ、早く終わってくれるのは、こちらとしてはありがたいわけだが。
・上海浦東空港は大変近代的できれいな建物。だが、ソフトが今一つなっていない。エアポートバスに乗ろうとしても、行き先の説明が分かりにくい、というか分からない。こちらは漢字が読めるのでなんとか判読出来たからよいが、漢字圏でない人はかなり困るのではないか。この辺はまだ発展途上なのだろうか。
・空港から市内に向かう道は、あちらこちらで工事がされており、また建設中のビルも多く、建設ラッシュである。これも来年2010年の万博に向けての対応だろうか。急ピッチで進んでいるという感じだが、その分今観光に来る人にとってはあまり好ましくない。川沿いに歴史的建物が並ぶ「外灘」地区など、観光名所である公園は工事のため半分閉鎖中、残った公園部分と建物の間の道路は工事中でフェンスが並んで、大変みにくい。
・万博関係のものは街中にたくさんあって、至る所に「あと何日」という電光掲示板や、キャラクターの人形などがみられる。そういうものの前で記念写真を撮る現地の人(あるいは中国国内からの観光客)も多いし、結構市民レベルでも盛り上がっているのかもしれない。
・その万博の計画地の様子が、「上海城市規劃展示館」で詳しく説明されていた。ここは英語名でUrban Planning Exhibition Center、つまり都市計画の博物館であり、その筋を専門にする身としてはなかなか面白かったのだが、何もない工場地帯に計画されたのかと思いきや、従前の航空写真をみると小さな住宅などが建ち並ぶ地域も入っていたのには驚いた。工場跡地を核としつつ、周りの住宅地もクリアランスしたということなのだろう。で、そうしてまっさらにされた土地に、海外のプランナーが自由に書いた絵が実現するのだから、今の日本では考えられないような話である。
・万博計画地以外も、街のあちらこちらがそんな感じでスクラップアンドビルトされている印象がするのだが、とはいえ一番中心の商店街「南京路」も、一歩裏道に入れば低層のごみごみした古い集合住宅が並ぶような街である。そういう意味では、幹線道路沿いなど、目に見える部分は新しい都市だが、その裏側はまだまだ古いままということなのかもしれない。私などからすれば、その裏側の方が面白いのであるが。
・そういえば、前述の展示館には、上海中心部をつくった巨大な模型(森ビルが東京でつくったようなもの)がおいてあるのだが、どの建物も真四角できれいにつくられ、周りには緑の木々が置かれていて、そういう“裏側”の雰囲気が感じられないようなつくりになっていた。また、CGでつくった街を360度の全面スクリーンでバーチャルにみせるというのもあったのだが、これも看板がなかったりごみごみした部分は完全にけずられていて、見た目としてはインパクトがあったものの、後で実際の街を歩いた時にはその違いに驚いてしまった。おそらく、ああいう裏のごみごみ感をなくしたいという、計画サイドの希望・願望が表れているのだろう。でも、模型やCGみたいな街になってしまったら、全然面白くないと思うのだが。
・とはいえ、中国の街に充満する“ごみごみ”した感じは、ある程度なんとかしてほしいと思うし、特に車の運転の荒さと人のマナーの悪さは、なんとか改善してほしいものだと思った。以前行った広州に比べればまだましな気もするが、それでも今日一日だけでも閉口するようなことが何度かあったし。

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2009年5月16日 (土)

軽やかに越える歌:土岐麻子@Billboard Live OSAKA

 土岐麻子さんのビルボードライブツアーの大阪公演を観に行く。本日1日だけの2公演ということもあってか、1stステージはかなり混んでいて、立見も出ているほどである。バックの演奏は、アルバムにも参加しているkey,b,ds,gの4人。前回見た時はアコースティックな編成だったから、バンドとしては初めて聴くことになる。
 ビルボードライブのツアーということで、曲としてはジャズのスタンダードが結構多く、ポップスのカバーも何曲かあって、オリジナルは2〜3曲くらいだっただろうか。オリジナルは比較的落ち着いたタイプの曲が多くて、テンポの良いいかにもポップという感じの曲が少なかったのが残念だったのだが、スタンダードものもポップスっぽいアレンジだったり、4ビートで演奏したりと、バラエティに富んでいて面白かった。曲中でリズムのタイプが変わる曲もあって、ジャズとかポップスとかいうジャンルをすっと飛び越えていくような、軽やかで気持ちのよい演奏であった。その辺は、演奏者の幅広い音楽性があってなしえるものなのだろう。土岐さんは、スタンダードだからといってジャズっぽく歌うとかそういうところはなく、どの曲も実に自然に歌いこなしていて、その辺でもジャンルの垣根を気にせずに越えていく軽やかさのようなものを感じた。
 もっとオリジナル曲を聴ければよかったとも思うし、バックがもっと自由に演奏して盛り上がるような曲がもっと多ければ(本編最後の「September」はそんな感じで実に面白かった)と思う部分もあるが、その辺は1時間強という短い時間の中では仕方がないだろうか。きちんとしたフルタイムでのソロライブが観てみたいものである。東京では7月にあるのだが、大阪ではやれないのだろうなあ…。

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本日の購入CD@Tower梅田マルビル店

 用事の前であまり時間がなかったのだが、さっと試聴して回って面白かったものを購入。

○「CM3」Cornelius
 コーネリアス=小山田圭吾氏によるリミックス集。これまでCM,CM2は買ってなかったのだが、改めて新作を聴いてみると、曲は他人のであっても、音は完全にコーネリアスであって、ほとんど彼の新作として楽しめるのだなあというのに気がついた。
○「Scale of Rime」sooner
 コーネリアスの試聴機に入っていて、聴いてみるとポップの紹介通りリズムが気持ちのよいエレクトロニカだったので購入。こういうふうに新たなものが見つかりやすいところが、この店の面白いところである。

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2009年5月15日 (金)

名実ともにおじさんに

 こんな歳になると、気持ちは若いと思っていても、外から見ればどう考えても「おじさん」である。これまでは心の中で抗っていたのだが、本日からはもう逃げられなくなってしまった。妹夫婦に赤ちゃんが生まれたのである。「叔父」になってしまった以上、名実ともにもう「おじさん」だと認めざるをえない。
 送られてきた写真を見ただけなので、自分に甥が出来たとの実感は全くないのだが。会ったら情が湧くものだろうか。なにせ初めてなので、どんな気分になるものか全然想像がつかないけれど。
 友人夫婦に子供が生まれるたびに、ああもうそんな歳になったのだなあと思ってきたわけだが、今回こうして血のつながった兄妹の話となると、また違った感慨を覚えてしまうのである。

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2009年5月14日 (木)

慣れてきたからこそ

 昔学生だった頃に、オーストラリアを1ヶ月かけて一人旅したことがあった。初めての海外旅行で、当時は英語もあまりしゃべれず(今も全然上手くないけれど)、着いてから1週間程は不安ながらも必死で話していた。なにしろ英語を話さないことには、食事も移動も出来ないし、宿泊すらも出来ないわけで。
 習うより慣れろと言うが、とにかく使っているうちに徐々にしゃべれるようになってきて、滞在2週間目は比較的スムーズに話すことができて、旅行もより楽しくなった。この国にも言葉にも慣れてきたし、このまま楽しい旅が続けられる…と思っていたのだが、3週間目になって様子が変わってきた。慣れてきた分、自分の発言を冷静に捉えられるようになり、その表現や文法がひどいことに気づいてしまったのである。
 恥ずかしいと感じて、少しはまともにすべく頭を使うも、質はほとんど上がらず、逆に時間がかかって会話がぎこちなくなる。そんな3週間目を過ごした後、4週間目には話すことを躊躇してしまい、必要最小限の会話しか出来ないようになってしまったのであった。

 …というのと似ている状況に、現在おかれているような気がする。外国での英会話ではなくて、大阪での仕事や暮らしについて、であるが。
 こちらに来てしばらくは、とにかく新しい環境に慣れるのに精一杯だったのだが、半年程すると仕事も暮らしもなんとなくコツがつかめてきて、日々の生活が楽しくなってきた。それなりにやれるようになってきたので、この先時間が経てばもっとうまくいくだろう…と思っていたのだが、1年が経った最近ちょっと状況が変わってきた。慣れてきた分、自分のやっていることが冷静に捉えられるようになって、それなりにやれていたと思っていたことが、実はうまくやれていないのに気づいたのである。自分の行動は、こちらの文化や文脈で捉えた時に、全然なっていないのではないかと。
 などと考えると、どうも自分の存在が浮いているというか馴染んでいないように思えて、とはいえこちらのやり方にすぐに合わせられるというわけでもなく、どう行動したらよいものやら…という感じである。慣れてきたからこそ気づくことがあって、一度気づいてしまうと問題もクリアに分かってしまい、これまでと同じようではいられなくなる。ここから、先の旅行のように“黙って”しまうのか、それとも壁を超えて進めるのか。この半年程の過ごし方にかかっているのかもしれない。

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2009年5月13日 (水)

アウェイ観戦確定

 ACL予選の最終試合、アウェイでの上海申花vs鹿島戦が、観戦出来ることがようやく確定した。ツアー参加者以外はチケットが手に入らないとのことで、どうしたものかと思っていたのだが、ファンクラブを通じて対応をお願いしていたところ、当日現地スタジアムの所定の場所でチケットの受け渡しをしていただけるという。大変ありがたいことである。クラブ及び関係者の皆様に感謝したい。
 観戦を希望して相談した個人旅行者にこのような対応が取られているようだが、今のところオフィシャルWEBには告知されていないから、個別の対応ということなのだろうか。となると、現地に多いという在留邦人の方々は観られないのかな、などとも少々心配してしまうが(別の形で対応しているのだろうけど)。鹿島の翌日に北京と戦うグランパスは、(おそらくツアーが使っている)指定のホテルに集合してそこからバスで移動とのことだが、鹿島の方は直接スタジアムに行ってもよいらしい。街中にあるスタジアム(上海)と、比較的郊外にあるスタジアム(北京)の違いだろうか。それとも、上海の方はまだ“反日感情”がおだやかということなのか。それなら良いのであるが。ちなみにフロンターレの場合は、直接スタジアムで集合だったようである。でも、この試合でも中国サポーターからのきつい仕打ちがあったと聞くから、やはりその辺は一応用心した方がよいのだろう。アウェイにおいては、スタジアムの中以外では、身元=相手チームのサポーターであることを隠し、目立たないよう振る舞う方がよいのが、ヨーロッパでの観戦マナーであるから、それくらいの気分でいた方がよいのかもしれない。
 用心といえば、インフルエンザの方も注意しておかなければならない。上海では感染者が出ていないとはいえ、中国は一応感染者がいる国ではある。人ごみを避けろ…と言われても無理なことだから、うがい・手洗いをきちんとするなど、こちらもきちんと対応したいものである。観戦しに行って感染…なんて、それこそしゃれにもならないので。

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2009年5月10日 (日)

ハミングキッチン@Tower NU茶屋町

 先日購入したハミングキッチンのインストアイベントがあったので、私用のついでに足を運ぶ。開演の少し前に店に着くも、ステージ前にいる人はごくわずか。やはり、まだまだ一般には知られていないのであろうか。
 このユニットをライブでみるのは、これが初めて。もともとは、細野晴臣氏のトリビュートライブに出ていたボーカルのイシイモモコさんの歌声を聴き、あまりの素敵さに惹かれて前のアルバムを買い求めたのであった。その意味では歌を聴くのは2回目であるのだが。
 イシイモモコさんの優しい歌声による柔らかなメロディに、眞中やす氏(確か佐藤竹善氏のソロにも関わってたはず)の個性のあるギターの音が相まって、単に聴きやすく気持ちよいというだけではない、なかなか聴き応えのある演奏である。一般に女性ボーカルとギターの組み合わせだと、ギターというのはボーカルを乗せて進んでいくかのような、軽快でくせのない音の場合が多い気がするが、眞中氏のはカントリーというかブルースというか、ルーツミュージック的な色合いが強くて、ある意味若干クセもあるのだが、逆にその辺が面白い。音の組み立て方が、横方向につまり時間に沿って流れるように展開されていくというよりは、縦方向に響きを構築しているようにも感じられた。なので、聴いていて自然と体が動いてくるような、リズミカルな感じではないのだが、音としてはなかなか面白い。歌声の方は、先に聴いた時と同様に、素敵であった。
 とはいえ、演奏される曲は比較的雰囲気が似ていて、続けて聴いているとあまり変化が感じられないところもないわけではなかった。この辺は、vo+gのみだからであって、バンド編成になればまた違った感じになるのだろうが。リズムがあると、もっと気持ちよいのだろう。そういう意味では、一度バンドでのライブもみてみたいと思った。

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2009年5月 7日 (木)

本日の購入CD@Tower NU茶屋町店

 梅田で行くタワーは普通マルビル店なのだが、阪急沿線の用事での後なのでこちらへ。広くて良い店なのだけれど、やはり“提案力”ではマルビル店の方が上だなあ。
 今日の購入ものは、落ち着いた雰囲気の女性ボーカルという点で傾向が似ている。先日見たTOKYO M.A.P.Sの影響ですね、完全に。

○「palette」大貫妙子
 CMや映画主題歌、トリビュートアルバムなどに提供した曲のコンピレーション。依頼されてつくった曲も多いのだろうけど、どれも大貫さんの個性が強く出ている。ここまで独自の世界をつくれれば、それを求めて依頼が来るわけで、クライアントの要求に変に合わせることもないのかも。素晴らしい。
○「Strange Tomatoes」ハミングキッチン
 女性Vo+男性gのユニットの新作。前作はもう少しカラフルな印象があったが(タイトルも「虹色ソーダ」だったし)、今作はルーツ色が強くて渋い内容。でも古くさいわけではないし、しっかりと地に足がついた音である。
○「愛の秘密」寺尾紗穂
 この作品も、昔のニューミュージック的な雰囲気を感じさせるものだが、古くさいわけではない。むしろ変わらない良さという感じか。それにしても、相変わらずの良い歌声である。少しかすれた感のある声だが、その辺の個性が良い感じ。

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大阪の下町を歩く

 淀川区三津屋という、大阪市北部の下町(と言ってよいのだろうか)を歩く。この街に住み込んで「普通のまち」の暮らしをブログで紹介するプロジェクトを学生がやっていて、そのネタ探し&協力の意味で、何人かで一緒に街歩きをしたのである。
 この三津屋、南北に続く商店街を軸に、細い入り組んだ路地や古い長屋などが並ぶ、なかなか面白い街である。こういう街を歩いて、テーマを定めて興味深い部分を探して写真に撮るというのが本日の企画なのだが、面白い部分はいろいろとあってテーマを絞るのが難しい。大阪に暮らしてまだ1年なので、何を見ても面白いと思ってしまう部分もあるし。
 一応普通のまちの生活を伝えることが趣旨なので、生活につながりそうなことを…と思い、初めは「こんなところに住めますよ」という意味で、空室のある賃貸住宅や分譲中の新築住宅を撮っていて、「こんなところにも住めるんだ!」というような面白い住宅が見つかることを期待していたのだが、残念ながらそういう物件はなくて、途中でテーマを変更。結局、路地に多く並ぶ植木や道沿いの小さな庭に咲いた花々を撮ったのだが、こんな狭い地域でこんなに幅広い種類の花がみられるのに驚きつつ、これだと街の雰囲気が伝わらないなあ…ということで、結果的にはちょっと失敗した感じである。花の写真を並べてみると、なかなかよい雰囲気なのだけれど。
 街歩きの終了後は、手分けして商店街で食べ物を買い込んできて、食べながらの発表会。寿司・天ぷらから焼き魚まで、様々な食べ物が並んでなかなか楽しい。狭い商店街の中でこれだけいろいろな食べ物が買えるのだから、さすがは下町の商店街という感じである。

 関東にいる時にもいくつか下町や商店街を歩いたことはあるが、このあたりとはまた雰囲気が違う気がする。より道が狭くて密度が高く、また人の“密度”もより高い気がするというか。単に人が多いとかそういうことではなく、仮に人がその場にいなくても、人の“気配”が強く感じられる気がするのである。路地沿いの家も道にはみ出す植木や庭も、必ずしもきれいに整っているわけではないのだが、その分つくった人の意識みたいなものが感じられて面白い。
 こういう街の面白さは、どのようにすれば伝わるものか、なかなか難しいところである。単に見た目的に変わった部分を紹介しても、それはどちらかといえば「外」から来る人の目線であって、街に暮らす中で見えてくるものではない。一見すると何気ないけれども、よくよく見ると面白いというところをつかめればよいのだが。その辺、大阪暮らしがまだ短い身としては、なかなか表現出来ない部分である。

F1 F2 F3
F4 F5 F6
F7 F8_2 F9
(街中でみられた様々な花)

Mitsuya
(商店街で買いそろえた食べ物達)

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2009年5月 6日 (水)

水郷から成田を旅する

 カシマスタジアムで観戦の後、潮来に泊まり、翌日は水郷地域と成田を回る。これまで住んだことのある茨城や千葉を「旅する」というのはちょっと変な感覚なのだが、今や関西在住なのだから、これはもう旅というしかないだろう。

 潮来では温泉宿に宿泊。褐色の温泉で、冷泉を熱しているもののようだが、なかなか温まって気持ちよい。試合観戦中は雨に降られてすっかり濡れて冷えていたのでなおさら気持ちよい。これは泊まって正解であった。冷えた体のまま渋滞を走るバスに揺られて2〜3時間我慢する必要もなく、試合終了1時間後には温泉につかってのんびり出来たのだから。温泉で温まった後は、宿近くの鰻専門店で鰻重を食す。身はほっこりと柔らかく、皮は香ばしく焼き上がっていて、大変美味しい。満足しつつも物足りないので続いて居酒屋へ足を運び、鹿島産のたこ(歯ごたえがあって味が深い)、生カキ(美味かったがどこ産だろう)、サザエの刺身(潮の香りとコリコリ感が絶妙)と、海産物を堪能する。
 翌日の朝は、名所のあやめ園付近を散策。もちろんまだ季節ではないのだが、少しばかりは咲いていて雰囲気を感じさせる。水路沿いを歩くのも気持ちよい。もっと天気のよい、花咲く季節ならもっと良いのだろうが、きっとそんな時期は大勢の観光客であふれかえって、ゆっくり歩けないに違いない。それにしても、GW中だというのにこの観光客の少なさはどうしたものか。お客よりも十二橋巡りの船への客引きをするおばさん達の方が多いと思えるくらいである。

Itako1 Itako2

 その後は電車に乗って千葉県に入り、佐原へ。以前から何度か車で通過はしていたのだが、ゆっくり歩いてみるのは初めてである。昔は家から近かった分、わざわざ行こうとは思えなかったのだろう。細い川の両側に古い建物が立ち並んで、なかなか良い雰囲気の街である。木造の建物のみならず、西欧風のモダン(と言ったのだろうか)な建物も合わせて並んでいるのがよい。川沿いを歩くのは大変のんびり出来たのだが、中心部に至ると街は観光客と車で混み合っており、店も昔ながらの…というよりは観光客を当て込んだ新しい飲食店や土産物屋も多くなって、残念ながら風情には欠けてしまう。ここで昼食をとろうと思っていたのだが、どの店も混んでいてすぐには入れそうになくて断念。観光客が来ないと街は成り立たないが、街の風情は大きく変わってしまうのであって、なかなか難しいところである。

Sawara1 Sawara2
Sawara3 Sawara4

 空腹のまま佐原を離れて、続いては成田へ。もちろん何度も通っている街だが、実は成田山には行ったことがなかったのである。20年も千葉に住んでいたのに、あんな有名なところに行ったことがないとは。駅前から続く門前の通りは、古い店・新しい店、飲食店や土産物屋から普通の商店までが混ざっていて、観光地というわけでもなく、かといって普通の街でもない、ちょっと不思議な光景にも感じられた。飲食店では鰻屋が多く、昨晩も食べた身としてはどうしたものかと思ったが、「うぞうすい」がある古い店があったので、そこで遅い昼食をとる。鰻のぞうすいというから、あの甘辛いタレ味かと思いきや、塩味でさっぱりと食べることが出来る。鰻の身自体はそう多くはないのだが、出汁には十分味わいが出ている感じ。美味しくいただいた後は、いよいよ成田山新勝寺の参拝。境内はかなり広く、本殿や塔の他に、美しい庭園もあって、言うなれば一つの「テーマパーク」である。門前町も含めて、じっくりのんびり回れば、半日から1日はゆうに過ごせそうで、そんな休日も楽しそうな気がする。

Narita1 Narita2
Narita3 Narita4

 といった感じで、これまで“近くて遠かった街”を回ったのだが、思った以上に面白かった。近くに住んでいた頃にもっと頻繁に足を運んでいればよかったと思う程である。今後も鹿島には年に何度か行くのだろうから、その度に立ち寄るというのも悪くないかもしれない。

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2009年5月 5日 (火)

“ほぼ”完勝の見事な試合:鹿島vs水原

 今シーズン初めてのカシマスタジアム行き。GWかつ割引で高速道路が混んでいそうだったので、東京からJRで向かう。切符を買ってから初めて気づいたのだが、鹿島サッカースタジアムも東京近郊区間になっていたとは。翌日途中下車でのんびり帰る予定が狂い、無駄に払い戻しをしてしまった。これってある意味値上げなのでは?とも思うが。
 それはさておき、密室状態のバスで行くのと違い、電車だと途中途中の街の様子が感じられるのが面白い。成田までは空港行きの重い荷物を持った人が多く、成田からはいかにも千葉という雰囲気のご老人や若者が多くなる。もちろん鹿島へと向かうサポーターも多い。水原のユニフォームを着た人達も乗っていたが、彼らは成田空港から直接来たのだろうか。そういう変化が味わえるのは、電車ならではである。
 キックオフ2時間前にスタジアムに着いたのだが、すでに冷たい雨が降りしきっており、屋根のかかっていない1階メイン10数列目で観るのは(初観戦なのでおごってしまった)、きつい状況である。雨のため、そして大一番を前にした緊張感もあって、当初予定していたカシマスタジアム・グルメ三昧という気分にはなれず。馴染みの食肉もつ煮と生ビール(ちなみに今季から全店でモルツスーパープレミアムに。味的にはよいが、実質値上げな気も)を飲み食いしただけで、なぜか胸焼けがするくらいである。それくらい、観る方としても入れ込んでいたというか。なにしろアウェイの試合がああいうふうだったわけで、リベンジしたいという気持ちは、鹿島に関わる全ての人が持っていたのではないか。

 試合であるが、鹿島のFWは最近固定していた大迫ではなく興梠。ケガのマルキは無事復帰したが、CBはケガの岩政に替えて大岩。若干違うが、遜色のないメンバーである。
 前半当初は、両チームとも様子見の感じであまり大きな動きはなかったのだが、徐々に鹿島が相手DFの裏をつくようになる。マルキ・興梠が裏に抜けてボールを受けたり、逆に2トップからのパスを後ろから走り込んできた2列目が受けるなど、良い形で攻めを組み立てる。そんな攻めが出来るのも、中盤の底、小笠原のところでボールが収まるからではないか。ちょっとやそっと詰められてもとられず、そこから相手ディフェンスの弱そうなところへきっちりとボールを回せる。だから、コンビとなる青木も前に後ろにと動きやすいし、サイドも安心して前へ行ける。そんな攻めの中で、右サイド内田から裏に走り込む本山を後ろから追い越すようなボール(絶妙な美しいパス!)がCKとなり、ショートコーナーで再度野沢に戻してからのクロスが、大岩の頭にぴったりあって先制点。このセットプレイの流れは見事だったし、それ以上に久しぶり先発の大岩が決めたことも嬉しい。この後も鹿島が何度も相手ディフェンスを責め立てていき、今度は小笠原からDF裏への長いスルーパスに反応したマルキが、相手GKと交錯しながらもこぼれ球を押し込んで2点目。前半はほぼ鹿島のペースのまま試合が終了。
 後半は水原が勢いを増して攻め込むが、これを鹿島ディフェンス陣がうまくいなすと、攻め込んで高く上がった相手DFの裏をつくボールで効果的なカウンターを仕掛け、興梠が抜け出してGKと1対1をつくる(が止められる)などチャンスをつくる。途中、若干お疲れなのか生彩に欠けた内田に替えて新井場、本山に替えてフレッシュな増田を入れて攻めの姿勢を強めると、裏への長いボールに追いついた興梠が相手DFに寄せられながらも中央へ上げ、そこに走り込んでいたマルキが上手くループで決めて3点目。水原は長いボールをますます放り込んでくるようになり、そのこぼれ球に詰められたり、クリアボールを拾われたり、パスをつなごうとするところのミスを奪われたりで、いくつか危ない場面をつくられるも、相手のシュートミスもあって最後のところで守りきる。ロスタイムには、一人裏に抜け出したマルキが見事なループを放つも、相手GKがぎりぎりのところで手に当てたボールは、惜しくもポストに嫌われる。そしてそのまま試合は終了し、鹿島が先の対戦のリベンジを果たす、3-0勝利を上げる。

 相手の決定機は数えるほどだったから、ほぼ完勝といってもよいだろう。“ほぼ”というのは、あと1点を取っていれば、当該チーム間の対戦成績で水原を上回ることが出来たから。そのチャンスは十分にあったし、特に最後のマルキのループが決まってさえいれば…という点が惜しくて仕方ない。あれはもう完全に入ったと思ったのだが、なんとか手に当てたイ・ウンジェをほめるしかないか。しかし、あのボールに大迫が詰めていれば、はねかえったところを決められたのではないか。あそこで泥臭く最後まで追いかけていき、決めていれば、それこそ“ACL男”の面目躍如だったと思うのだが。
 まあ、ごくわずかな不満はあるものの、ほとんど完勝といってよい内容でグループ首位。しかも上海申花が引き分けたことで、グループリーグ突破は決定。あとは最終戦・アウェイ上海戦で引き分け以上で首位通過確定、負けても大敗しなければ(&水原が異常な得点を上げなければ)首位通過である。その分、若干緊張感は失われた感もあるが、なにしろ何が起こるか分からないアウェイの試合、きっちり勝って最後を締めくくってほしいものである。

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2009年5月 4日 (月)

TOKYO M.A.P.S.を観る

 J-Waveと六本木ヒルズによる音楽イベントへ。オーガナイザーが選んだ様々なアーティストが数日間に渡って無料のライブを繰り広げる。昨年・1回目のオーガナイザーは宮沢和史氏だったとのことだが(そんなのがあったのは全く知らなかった)、今年は大貫妙子さん。おのずと(?)私好みのアーティストが揃っていたので、別件の用事と合わせる形で、行くことにしたのである。
 本日の1組目は、おおはた雄一。以前からアルバムは聴いていたが、多分ライブをみるのは初めてではないか。まずは弾き語りで2曲ほど演奏するが、ギターの演奏が実に良い。アルバムだと歌や全体のサウンドに関心が行くが、こうして聞いてみると、結構複雑な演奏をしているのに、一つ一つの音がクリアで素晴らしい。高田蓮が参加して、2人でアップテンポなナンバーを披露。このあたりのグルーブ感、そして高田氏のスティールギターのつくるムードも見事。ここからJ-Waveナビゲーターのクリス智子さんも参加して、二人でつくったハワイを題材にしたアルバムがもうすぐ出るとのことで、その収録曲を続けて演奏する。おおはた氏がハワイアン(?)をやっているとは知らなかったが、ブルースなどと同様に、一つのルーツミュージックだと考えれば、なるほどなという気もする。
 2組目はPort of Notes。最近はそれぞれのソロ活動が中心だったが、今年ようやく活動再開して、アルバムも出す予定とのこと。vo,gのメンバーに、ac.gとperのサポートメンバーでの演奏だったが、若干el.gが強かったものの、音は厚すぎず・薄すぎず、このアコースティックな編成がよい感じであった。そして何と言っても畠山さんのボーカルの素晴らしいこと。優しくかつ力強い歌声、見事な表現力にすっかり魅了されてしまった。曲も前半は聴き慣れた曲中心で、久しぶりで大変懐かしく、また改めて良い曲だなと思わされた。後半は新曲やカバー曲が続いて、新しくはあるものの以前と変わらぬ彼らならではの音を聴くことが出来た。1時間弱のわずかな演奏だったが、イベントライブとは思えないくらいに惹きこまれる内容に、大いに満足出来た。
 3組目には、オーガナイザーの大貫妙子さんご自身が登場。大貫さんはイベントなどでは聴いていたが、ご本人名義のライブをみるのは初めてかもしれない。林立夫(ds)、鈴木正人(b)、フェビアン・レザ・パネ(p)というメンバーをバックに、素敵な演奏を聴かせてくれた。大貫さんの優しく安定した歌声はもちろんよかったのであるが、バックの演奏も実に素晴らしかった。雰囲気としてはジャズのピアノトリオという感じだが、各人の演奏は全体に控えめで出過ぎずにしっかりと歌を支えつつ、ここぞというところでは見事なソロのフレーズを聴かせるのは、さすがという感じである。「都会」や「横顔」といった古い馴染みの曲も聴けたし、後半は先日出たというコンピアルバムから最近の仕事なども聴けて、これも短いながらも大変充実したライブであった。
 本日の最後はbird。以前観た時はバンド編成のライブだったのだが、今日はギターと2人でのアコースティックな形。これだとサウンド的に迫力がなくて物足りないかなとも思ったのだが、そんなことはなく、むしろbirdの声の見事さがよりはっきりと出る感じで、ある意味この方が面白いかもしれないと思うほど。ギターも切れのあるリズムの力強い演奏で、バックが一人であったが全く物足りないという感じがしなかった。「BEAT」などの1stアルバムのクラブ乗りの曲も、あのグルーブは感じさせつつ、また違った新たな面白さがあった。カバーの山口百恵「夢先案内人」や、ラストのデビュー曲「SOULS」での、じっくり歌い上げる曲も素晴らしく、彼女の幅広い音楽性を大いに楽しむことが出来た。ゲストで参加の冨田ラボ・冨田恵一氏は、彼の1st「Shipbuilding」でのbirdの参加曲をセッション。アルバムの作り込まれた冨田サウンドとはもちろん違うのだが、グランドピアノ1本でバッキングする冨田氏のプレイも、また味のあるものであった。以前のソロライブでのジャズっぽいセッション曲も面白かったし、サウンドプロデューサーとして評価が高い人であるが、一ピアニストとしての演奏もじっくり聴いてみたいと思う。
 という内容だったのだが、こんな豪華なメンバーのライブが無料で聴けるというのは大変ありがたい。ある意味量が多すぎてバラエティに富み過ぎている夏のフェス系よりも、これくらいのコンパクトで統一感あるイベントの方が楽しめるかもしれない(もちろんフェスでは意外な発見があるのが面白いのだけれど)。明日もLittle Creatures、ハミングキッチン、そしてフライングキッズと、観たいアーティストが目白押しなのだが、観られないのが大変残念で悔しいほどである。

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(左:ステージ全景、右:リハーサル中の様子)

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東京おのぼりさん

 GWに東京方面へと旅行に出る。仕事以外でこうして関東に行くのは、大阪在住後初めてかもしれない。
 仕事の時は新幹線なのだが、GW中は回数券も使えないので、関空から飛行機で羽田へ(ビジネス客が少ないためか、ホテル付のパックが安かった)。周りのお客の多くも東京に観光に行く様子で、ガイドブックやらをみながらグループで盛り上がっている。仕事に向かう人々で無口な新幹線とは大違いである。単にGWだからだろうか?
 羽田からモノレールで浜松町へ行き、そこから本日の宿泊地&目的地である六本木まで歩くことにする。このあたりも久しく来ていないので、時間もあるし歩いてみようと思ったのである。芝増上寺の脇を抜けて東京タワーへ。まるで地方から来た観光客のようである。実際、周りを歩いているのは、観光とおぼしき日本人&外国人が多かったし。東京タワーの前を通ると、恐ろしいくらいの長蛇の列。こんなに混んだのはみたことがない。やはり高いところに登って東京全体をみようということだろうか。考えてみれば私は登ったことがないのだけれど。
 そのまま北に上がっていき、飯倉の交差点へ。このあたりは実に懐かしい場所で、かつて六本木ピットインというライブハウスがあった時には頻繁に来たのである。チケットを買うために昼から並び、ライブ当日も何時間も並んで待ったなど、本当にいろいろな思い出がある。実に懐かしい。しかし、六ピが入っていたビルは見事に建て替えられていて、真っ白なサービス・アパートメントになっている。隣や周りの建物は全く昔のままなのに(道を挟んだ中華料理屋も含めて)、当のビルだけが見事に新しい。違和感ばかりを覚えつつ、足早にその前を通り過ぎる。
 ホテルに荷物を置いた後(六本木に泊まるなど、その昔帰れなくなってカプセルに泊まって以来では?)、ミッドタウンを一通りみてから、本日の目的であるイベントライブをみつつ、合間に六本木ヒルズも歩き回る。どちらの施設も観光客とおぼしき人々で混み合っていて、特に六本木ヒルズの展望台には、東京タワー並みの長蛇の列である。今日は主立った観光施設は、どこもかしこも(私も含めて)“おのぼりさん”ばかりのようである。
 この2つの施設は、私が六本木に通っていた頃にはなかったので、これも違和感ありありなのだが、これらが出来て六本木の雰囲気が変わったのは間違いないだろう。文化度というか、デザイン度が高まったというか。入っている店もそれぞれ個性的であるし、どちらもまあよく出来た施設だとは思うが、どうしても「よくつくられた」という印象を持ってしまう。しかし、これら施設内での飲食物は高い!軽く食べて軽く飲んだだけで、大阪での外食の3倍くらいはするような印象である。
 ライブを堪能し食事をした後は、青山ブックセンターへ。ここも大学~大学院時代に足繁く通った場所。自宅からの通学路だったし、一人暮らしした後も前述の六ピや六本木バレンタイン(ここも一時期よく通った)に行った帰りに、ここや今はなき六本木WAVEでよく買い物をしたものである。当時は何がすごいかよく分からないままに通っていた気がするが。さすがに店内には観光客は少なく、昔ながらの落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりとマニアックな品揃えの本をみることが出来た。この店は本当にいつ来ても面白く、新しい発見があって、大変「提案力」がある店だと思う。品揃えの多い本屋は他にもあるが、ここくらい自己主張している店も少ないのでは。
 のんびりと本を眺めた後、酒でも飲もうと思って街を歩き回ったのだが、昔行ったことのある店はほとんどなくなっていて、新しい店はどうも入りにくく、結局ミッドタウン内のフードコートで軽くビールを飲んだ後(-2度に冷やすという、Extra Coldのハイネケンがあったので。普通のよりなめらかで美味しかった)、早々とホテルに戻ってしまった。歩いているうちに、この街の独特な雰囲気に少々疲れてしまったのである。日本人と外国人、客と店員・客引きが入り交じり、一種危ない雰囲気も感じられるような通りの風景に、こんなに疲れてしまうとは。昔はそんなことはなかったのだから、すっかり「東京」の人間ではなくなってしまったのかもしれない。とはいえ、全くの“観光客”気分で楽しむことも出来ないし、複雑な立場である。

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(左:ホテルからの夜景、右:朝の景色)

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2009年5月 1日 (金)

毎月が五月病?

 早くも5月。そういえば、一昔前までは「五月病」という言葉をよく聞いた。入学・入社した新人が、目標を失って燃え尽きたり、新しい環境に馴染めなかったりして、5月に入って精神的に落ち込む症状のこと。しかし、最近はすっかり聞かなくなったように思うのだが、なぜだろうか。
 おそらく、もう「五月」に限られる症状ではない、ということなのだろう。生活や仕事の中の小さな目標を達成しては燃え尽きて、随時変わり続けて先の読めない環境や社会に馴染めずに、日々落ち込んでいる。きっと年がら年中、毎月五月病になっているのが、今の時代なのかもしれない。
 かく言う私も、先月は一山二山超えるたびに若干燃え尽き気味になり、また小さいながらも日々変わる周りの環境に馴染めたり馴染めなかったりの日々である。五月病はGW明けに起こることが多かったらしいが、休み明けにはどうなることやら。

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