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2009年6月15日 (月)

リアリティとファンタジー

 昨日の試合のことがなんとなくまだ頭に残っていたのだが、ふと「もし鹿島だったらどうしただろうか?」という疑問が浮かんできた。アントラーズの場合、あの試合をどうやって終わらせたのだろうかと。
 昨日の状況をあてはめてみるならば、開始早々に曽ヶ端が相手FKを倒して一発退場(岩政がつききれなかったという意味ではありそう)、この場合はDFではなくFW興梠を下げて4バックのままとして、うまくいかない試合展開にいらだった小笠原が2枚のイエローで退場(昔のオガサなら十分ありそうだ)、なんとか前半を乗り切った後、本山に代えて新井場を左サイドにいれ、パクをボランチに上げて4-2-2に。2点目が取られた後に前線のマルキと野沢が個人技で頑張り、奪ったFKを上がった岩政が押し込んで1点差。疲れた内田に代えて前線に高さのある田代を入れて、青木を右サイドに。勢いづいて押し上げて攻め続け、切れ込んだ新井場のクロスに飛び込んだ青木がオウンゴールを誘って同点。…という展開だったとして(十分ありそうだし、きっちりイメージ出来るのが面白い)、その後どういう試合をするだろうか?というところである。
 …などという空想をしてみたのは、昨日のゲームについての石神のコメントが興味深かったからだ。彼は「まずは勝点1を取って、そこからカウンターなり、セットプレーとかで点を入れて、勝点3を狙いに行くこと、最低でも勝点1を取るサッカーをしなければいけなかったと思う。」と語っているのだが、この内容がまさにアントラーズがやりそうなサッカーなのである。同点に追いついた後は、バックでしっかりと回し隙をみて田代にロングボールを当て、つぶされて得たFKでゴールを狙うか、あるいは相手の攻めを押さえたところで素早く前線にフィードし、マルキと野沢の速さでカウンターを決める、という感じだろう。そんな形で最後に勝ちきれるのが鹿島というチームの手堅さであり、そういうリアリティが鹿島出身(というかレンタルなのでまだ鹿島の選手だが)の石神の中にも根付いているに違いない。
 これと比較した時に、乾のコメントも興味深い。セレッソは「勝点1を狙うようなチームではないし、勝点3を取ってナンボ」と言っているのである。昨日も書いたように、セレッソはまさにそういうチームであって、守るのではなく最後まで攻め続けるところがあり、点を取られても華麗な攻めでそれ以上に取り返せばよいというような、ある種のファンタジーを追求しているようにも思える。昨日の試合でもそういう部分が出たのであろうし、これまで何度か優勝に近づいても手が届かなかったのは、最後のところで手堅さに欠けるような部分もあったためではないかとも思えるのである。
 観ている方としてはファンタジーのある試合の方が楽しいし、チームとしてもファンタジーのあるゲームを目指しているのだろうが、それでも結果が出なければという部分はあるので、ある程度はリアリティも追求されなければならない。そこの間のバランスをどうするかによって、リアリティをベースにファンタジーを追求するアントラーズのようなチームと、ファンタジーを追求することでリアリティを得ようとするセレッソのようなチームとの違いが生まれるのだろう。もちろんどちらが良いということではないのだが、長くアントラーズを観てきた立場としては、セレッソにはもう少しリアリティを考えてほしいとも思うのである。でないと、長くて厳しいJ2リーグを勝ちきれない気もするのだ。
 そういう意味では、リアリティが選手に染み込んでいる鹿島から来た、石神や羽田の役割に、今後期待していきたい。昨日の試合なども、もしも羽田が残っていたならば、最後の場面でもう少し試合を落ち着かせることが出来たのではないか…とも思ってしまうのだけれども。

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