ビール業界の喜ばしい変化
近年のビール業界は、発泡酒やらその他の雑酒やら(あれを“ビール”とは呼びたくはない)の開発をがんがん進める一方で、少々高いプレミアムビールも出すというやり方で、以前に「ビールも格差社会?」と書いたりもしたのだが、最近になって若干の変化がみられる。プレミアムではない普通価格のビールに、麦芽100%という、本来ビールのあるべき姿が増えてきたのである。
これまで国産の普通価格の麦芽100% といえば、サントリーの「モルツ」くらいしかなかったのだが、今年の春にキリンの「一番搾り」が麦芽100%に切り替えられ、初夏にはアサヒが「ザ・マスター」を発売した。こうして麦芽100%の選択肢が増えたことは、ビール党としては大変ありがたい。
おかげでうちの冷蔵庫には、常に上記3種類の350ml缶がまとめて常駐するようになってしまった。最初の口当たりが良くて後味に一定のコクもある「一番搾り」、コク的には若干物足りないものの爽やかな苦みがよい「ザ・マスター」、独特の甘い後味が特徴的な「モルツ」と、その時の気分や飲む順番でそれぞれ選べるのが楽しい。本当はこれらに加えて、キリンの「ハートランド」が常備出来れば言うことないのだが(一般に500ml瓶しかないが価格は普通)、うちの近くでは未だに売っている店がみつからないのが残念である。
とりあえずはこの3種類でそれなりに満足しているので、逆に今はプレミアムビールを飲む気がなくなってしまった。時折サッポロの「エビス」を買ってみるが、最近はどうもあの味が好きではなくなってしまったほどである(いつも買う店の保存状況が悪いのかもしれないが、コクが薄まった気も)。
このような変化は本当に嬉しいのであるが、これまでドイツ的(ビール純粋令)に言えば「ビールではない」ものばかりをつくってきたことが、ある意味で“おかしい”のであって、ようやく本来の姿になったと言った方がよいのかもしれない。
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